電気実験と設計
電気基礎実験Ⅱでは、交流回路を使った実験を行います。
発電所から家庭に送られてくる電気は交流ですので、一般的な電気設備は交流回路で構成されています。この実験では簡単な交流回路を作成し、電力の測定などを行いながら、電気回路などの授業で習った理論と実際の回路で測定した結果が本当に同じになるのか、異なる場合は何か原因があるのかを確認していきます。また、交流回路においては、電圧と電流の位相差(波形のずれ)が大きな意味を持ちます。いくつかの実験テーマでは、この位相差について、オシロスコープを使って電圧と電流の波形を観測し、観測した波形をもとに考察をしていきます。
3年生前期に開講する工学実験Ⅰでは,電気機器すなわち直流電動機と発電機,交流電動機と発電機,変圧器,直流を交流に変換するインバータについて実験します。4~5人のグループに分かれ,機器の確認,配線,実測を行います。実験結果については,各自,実測データを表,グラフにまとめてレポートを提出します。
ここでは、電気材料系実験と電力応用系実験を行います。まず、電気材料系実験では、電気回路、電子回路を構成する導体、半導体、センサー等の材料が持つ固有の特性について理解を深め、各種材料の役割や応用を学習します。次に、電力応用系実験では、照明器具の光特性やこれを用いた簡単な照明設計法、電気設備の安全管理に不可欠な接地、漏洩遮断器などについて学びます。いずれも実際の回路部品、電気設備を扱う上で把握しておかなければならない大切な内容です。写真は、漏洩遮断器の実験に使われる装置です。
高電圧実験と自動制御実験を行います。
高電圧実験では、雷インパルス電圧と交流電圧を用いて、空気(がいし)、真空、絶縁油、高分子フィルムの破壊特性を学習します。
自動制御実験では、ロボットのフィードバック制御、リレー制御、シーケンス制御、PID制御、AD/DA変換を学習します。
電気で動作する電気機器は電流が流れる電気回路と磁束が通じる磁気回路から構成されます。機器を設計するには,電気と磁気の知識が必要となります。この科目では,2年生で学習した電気機器の一つであり,最も広く使用されている誘導電動機を取り上げ,設計に対する基本的な考え方を身に付けます。
3年生までの3年間を通して学んだ来た電気の知識を生かして、実用的な設計方法を学ぶのが電気設計製図です。電化製品等に必ずといっていいほど使用されている電気回路基板の設計の仕方を学びます。具体的には電気回路で使われる部品のスペックの見方や選び方、そして回路設計に必要なCAD(コンピュータを使った製図)の使い方を学びます。右の図は実際に授業で使用しているCADソフトを使って電気回路基板を設計しているところです。