電気の基礎
電気磁気学の知識や理論は電気・電子・通信など電気関係の様々な機器や装置の開発・設計の基礎になります。本科目は主に静止している電荷が作る電界の解析に係る知識・理論を学びます。サイズが充分に小さく、「点」として扱える電荷のみでなく、大きさや形を考慮した帯電体が作る静電界の解析も習得します。また、電荷の所在空間も自由空間から誘電体の中まで広く取り扱うことになります。更に電気回路の重要な回路素子であるコンデンサについても詳しく習います。
家庭のコンセントには100Vの交流が供給されています。これを電源と言います。
電化製品は,電源に接続して動作しますが,この時,その製品がどれくらいの電力を消費するか,あるいはいくらの電流が流れるかを調べるためには,電気回路の知識が必要となります。電気で動作する機器は,一般に抵抗,コイル,コンデンサなどの回路素子で表すことができます。電気回路では,これら回路素子の基本的な電気特性を理解し,様々な回路について,オームの法則,キルヒホッフの法則を用いた回路解析法を学習して2年次以降に続く専門科目の基礎を身に付けます。
電磁気I/IIでは静電気(電界)について学びましたが、この科目では磁石や電流を流したコイルが作る"磁気(磁界)"について学びます。
電流と磁界の間にはいくつかの物理法則があり、これを応用することでモーター、発電機、変圧器などが作られています。さらに、電界と磁界を組みあわせることで"電磁波(電波,
右図)"となります。この電気磁気学は、電気の基礎としての応用価値も高いのですが、力学に続く物理学の重要分野ですので、習得は必須です。
あらゆる分野において量を正確に測ることは大切な作業です。例えば、物の長さを測る場合、人によって使う物差しの長さ(目盛り間隔)が違うと大きな混乱が生じます。このため長さの単位[メートル]を厳密に定義すること、そして単位を用いて量を正確に測る物差し(計測器)を作ることが欠かせません。電気計測では、種々の量を電気量に変換し正確に測定するための考え方、センサーの仕組み、計測器の動作原理、ノイズ処理法等について学びます。写真は、電気現象を可視化して観測するオシロスコープを用いて照明器具の電圧、電流を測定したものです。
物質を構成する原子の中にある特に電子についてのエネルギー、速度、半径等の基礎を始めに、電子の流れである電流、電子線の性質について学習します。その後、電子の粒子と波動の2重性から量子力学の導入部分を学習します
電気物性論Ⅰで学んだ量子力学の導入をベースに、物質が粒子と波動の2重性をもつことを定式化したシュレーディンガー方程式の考え方、原子における電子の存在の仕方、および バンドギャップを適用した金属・半導体・絶縁体の考え方について学習します。