3．絶縁油の性能向上の研究
電力用変圧器の大容量化と小型化のため、変圧器内部の電気絶縁材料の性能向上が必要不可欠です。当研究室では安全・安心・微小な材料としてファインバブル (FB) と界面活性剤 (高分子) に着目し、電気絶縁性能が飛躍的に向上する可能性があると考え研究を進めています。本研究テーマでは、当研究室で開発した窒素 FB 発生装置の供給窒素ガス量や動作時間などの各種パラメータを変えた場合に、絶縁油中の酸素や水分の溶存量を低滅させて溶存窒素量のみを最大化できるか調査し、また、絶縁油に FB や高分子を付加して長期安定化と絶縁耐力向上が実現できるかを明らかにします。本研究によって、既存の電力機器のさらなる長期安定化と長寿命化が期待でき、環境負荷の低減に寄与することができると考えています。
［最近の主な業績］
〈2023年〉「Analysis of Dissolved Nitrogen and Oxygen Gases in Palm Fatty Acid Ester Added with Nitrogen Fine Bubbles」
N.Takamura、N.Araoka、M.Fujimura、M.Hanai
Proceedings of 22nd IEEE International Conference on Dielectric Liquids (ICDL'23)、159、pp.1-4(2023.07)
「窒素ファインバブル付加がパームヤシ脂肪酸エステルの密度と動粘度に及ぼす影響」
高村紀充、荒岡信隆、藤村仁大、花井正広
令和5年電気学会全国大会講演論文集、2-030、p.32(2023.03)
「窒素ファインバブル付加パームヤシ脂肪酸エステルの電気的特性に関する研究」
藤村仁大
福岡大学大学院工学研究科 令和4年度修士学位論文、91 pages(2023.03)
〈2022年〉
「生分解性電気絶縁油と純水の代表性状向上に関する研究の現状と課題」【２．純水研究に重複掲載】
高村紀充、荒岡信隆、藤村仁大、土谷和輝、花井正広
第53回電気電子絶縁材料システムシンポジウム予稿集、SP-4、pp.69-74(2022.09)
「窒素ファインバブル付加がパームヤシ脂肪酸エステルの誘電正接と比誘電率に及ぼす影響」
藤村仁大、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
第53回電気電子絶縁材料システムシンポジウム予稿集、MVP-1-4、pp.175-178(2022.09)
「異なる生成時間の窒素ファインバブル付加パームヤシ脂肪酸エステルの近似Rogowski電極下の負極性雷インパルス絶縁破壊電圧」
藤村仁大、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
令和4年電気学会基礎・材料・共通部門大会講演論文集、13-P-C-1、p.1(2022.09)
"Relative Permittivity and Dielectric Dissipation Factor of Palm Fatty Acid Ester with Different Nitrogen Fin Bubbles Generation Times"
N.Takamura、N.Araoka、M.Fujimura、M.Hanai
Proceedings of 2022 IEEE 4th International Conference on Dielectrics(ICD 2022)、2a-22、pp.474-477(2022.07)
https://doi.org/10.1109/ICD53806.2022.9863532
"AC and Negative Lightning Impulse Breakdown Voltages of Palm Fatty Acid Ester with Different Nitrogen Fine Bubbles Generation Times"
M.Fujimura、N.Takamura、N.Araoka、M.Hanai
Proceedings of 2022 IEEE 4th International Conference on Dielectrics(ICD 2022)、3b-2、pp.651-654(2022.07)
https://doi.org/10.1109/ICD53806.2022.9863482
「窒素ファインバブル付加がパームヤシ脂肪酸エステルの溶解ガス量と絶縁破壊電圧に及ぼす影響」
荒岡信隆、高村紀充、藤村仁大、花井正広
第42回石油学会絶縁油分科会研究発表会要旨集、5、pp.36-44(2022.06)
「窒素ファインバブルを付加したパームヤシ脂肪酸エステルの油温と体積抵抗率の関係」
植村知史、高村紀充、荒岡信隆、藤村仁大、花井正広
令和4年電気学会全国大会講演論文集、2-022、p.22(2022.03)
「窒素ファインバブルの生成時間と静置時間が異なるパームヤシ脂肪酸エステル中の溶解ガス量」
藤村仁大、高村紀充、荒岡信隆、植村知史、花井正広
電気学会研究会資料 (誘電・絶縁材料/放電・プラズマ・パルスパワー/高電圧 合同研究会) 、DEI-22-005/EPP-22-005/HV-22-030、pp.21-26(2022.01)
〈2021年〉
「窒素ファインバブルの生成時間が異なるパームヤシ脂肪酸エステルの負極性雷インパルス絶縁破壊電圧」
藤村仁大、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
2021年度(第74回)電気・情報関係学会九州支部連合大会講演論文集、01-2A-01、p.181(2021.09)
「窒素ファインバブルを付加したパームヤシ脂肪酸エステルの体積抵抗率と交流絶縁破壊電圧」
藤村仁大、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
第52回電気電子絶縁材料システムシンポジウム予稿集、MVP-4、pp.142-145(2021.09)
「窒素付加処理方法が異なる鉱油の交流および負極性雷インパルス絶縁破壊電圧」
高村紀充、荒岡信隆、堤友浩、花井正広
令和3年電気学会基礎・材料・共通部門大会講演論文集、2-D-a2-1、p.1(2021.09)
「親油性の高い非イオン性界面性剤添加鉱油の雷インパルス絶縁破壊電圧」
藤村仁大、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
2021年(第39回)電気設備学会全国大会講演論文集、F-19、pp.312-313(2021.09)
「Rogowski電極を用いた窒素付加処理方法が異なる鉱油の負極性雷インパルス絶縁破壊特性」
高村紀充、荒岡信隆、堤友浩、花井正広
電気学会論文誌 A(基礎・材料・共通部門誌) 、Vol.141、No.7、pp.435-442(2021.07)
https://doi.org/10.1541/ieejfms.141.435
「親水基と親油基の割合が異なる非イオン性界面活性剤添加鉱油の交流絶縁破壊特性」
藤村仁大、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
第41回石油学会絶縁油分科会研究発表会要旨集、1、pp.14-20(2021.06)
「親水基と親油基の割合が異なる非イオン性界面活性剤添加鉱油の体積抵抗率」
藤村仁大、高村紀充、荒岡信隆、堤友浩、花井正広
令和3年電気学会全国大会講演論文集、2-042、p.44(2021.03)
「窒素雰囲気下における窒素ファインバブル付加鉱油の絶縁破壊特性に関する研究」
堤友浩
福岡大学大学院工学研究科 令和2年度修士学位論文、79 pages(2021.03)
〈2020年〉
「窒素付加処理方法が異なる鉱油中の溶解窒素および酸素量の分析」
高村紀充、荒岡信隆、堤友浩、花井正広
電気学会論文誌 A (基礎・材料・共通部門誌)、Vol.140、No.11、pp.534-539(2020.11) https://doi.org/10.1541/ieejfms.140.534
「窒素雰囲気中近似Rogowski電極構成におけるファインバブル付加鉱油の交流絶縁破壊特性」
堤友浩、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
2020年度 (第73回) 電気・情報関係学会九州支部連合大会講演論文集、03-1P-06、p.151(2020.09)
「窒素付加処理方法が異なる鉱油の交流および負極性雷インパルス絶縁破壊電圧」
高村紀充、荒岡信隆、堤友浩、花井正広
電気学会論文誌 A (基礎・材料・共通部門誌) 、Vol.140、No.9、pp.473-478(2020.09) https://doi.org/10.1541/ieejfms.140.473
「窒素雰囲気下におけるガス処理方法が異なる鉱油の交流絶縁破壊電圧」
堤友浩、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
令和2年電気学会基礎・材料・共通部門大会講演論文集、3-P-A-4、p.248(2020.08)
〈2019年〉
「窒素付加処理方法が異なる鉱油の油中ガス量と雷インパルス絶縁破壊特性」
堤友浩、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
電気学会研究会資料 (電力・エネルギー部門 静止器研究会) 、SA-19-098、pp.29-33(2019.129)
"AC Breakdown Characteristics of Mineral Oil with Nitrogen Fine Bubbles under Nitrogen Gas Atmosphere"
T.Tsutsumi、N.Takamura、N.Araoka、T.Otsubo、Y.Sasaki、S.Kamohara、M.Hanai
Proceedings of 2019 IEEE Conference on Electrical Insulation on Dielectric Phenomena (CEIDP 2019)、6B-11、1233、pp.593-596(2019.10)
「窒素ファインバブルによる鉱油中の溶存酸素除去効果」
北原崚、高村紀充、荒岡信隆、堤友浩、花井正広
2019年度(第72回)電気・情報関係学会九州支部連合大会講演論文集、04-1A-03、p.42(2019.09)
「窒素雰囲気下平板電極構成におけるファインバブル付加鉱油の交流絶縁破壊特性」
堤友浩、高村紀充、荒岡信隆、大坪拓矢、美山正樹、北原崚、花井正広
2019年 (第37回) 電気設備学会全国大会講演論文集、F-11、pp.359-360(2019.08)
「鉱油中溶存ガスに及ぼす窒素ファインバブル付加の影響」
荒岡信隆、高村紀充、堤友浩、花井正広
第39回石油学会絶縁油分科会研究発表会要旨集、2、pp.5-10(2019.06)
「平板電極構成における24時間経過窒素ファインバブル付加鉱油の交流絶縁破壊特性」
堤友浩、高村紀充、荒岡信隆、蒲原聖也、花井正広
平成31年電気学会全国大会講演論文集、2-032、p.37(2019.03)
「窒素ファインバブル付加による鉱油中のガス濃度への影響」
荒岡信隆、高村紀充、蒲原聖也、大坪拓矢、堤友浩、花井正広
平成31年電気学会全国大会講演論文集、5-150、p.259(2019.03)
「窒素ファインバブル付加絶縁油の絶縁破壊特性に関する基礎研究」
蒲原聖也
福岡大学大学院工学研究科 平成30年度修士学位論文 、77 pages(2019.03)
〈2018年〉
"AC Breakdown Characteristics of Mineral Oil with and without N2 Fine Bubbles"
S.Kamohara、N.Takamura、N.Araoka、M.Hana
iProceedings of 2018 IEEE Conference on Electrical Insulation on Dielectric Phenomena、8B-4、1123、pp.692-695(2018.10)
https://doi.org/10.1109/CEIDP.2018.8544818
「24時間経過窒素ファインバブル付加鉱油の雷インパルス絶縁破壊特性」
堤友浩、高村紀充、荒岡信隆、蒲原聖也、大坪拓矢、副島悠司、花井正広
平成30年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第71回連合大会) 講演論文集、05-1P-04、p182(2018.09)
「窒素ファインバブル付加鉱油のガス分析」
蒲原聖也、高村紀充、荒岡信隆、大坪拓矢、堤友浩、副島悠司、花井正広
平成30年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第71回連合大会) 講演論文集、07-2P-06、p.450(2018.09)
「平板電極構成における窒素ファインバブル付加絶縁油の交流破壊特性」
大坪拓矢、高村紀充、荒岡信隆、蒲原聖也、花井正広
第49回電気電子絶縁材料システムシンポジウム予稿集、MVP-11、pp.197-199(2018.09)
「24時間放置窒素ファインバブル付加絶縁油の交流絶縁破壊特性」
蒲原聖也、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
2018年(第36回)電気設備学会全国大会講演論文集、D-10、pp.179-180(2018.09)
「窒素ファインバブル付加絶縁油の負極性雷インパルス絶縁破壊特性」
佐々木佑樹、蒲原聖也、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
平成30年電気学会基礎・材料・共通部門大会講演論文集、4-P-6、pp.224(2018.09)
「鉱油への窒素バブル付加による交流絶縁破壊電圧特性への影響」
蒲原聖也、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
第38回石油学会絶縁油分科会研究発表会要旨集、8、pp.57-62(2018.06)
「鉱油における交流破壊電界の距離効果と水分の影響」
蒲原聖也、高村紀充、荒岡信隆、花井正広
福岡大学工学集報、No.100、pp.59-62(2018.03)
「鉱油の交流絶縁破壊特性におけるギャップ長と窒素バブル添加の影響」
高村紀充、蒲原聖也、荒岡信隆、花井正広
電気学会研究会資料(基礎・材料・共通部門 誘電・絶縁材料研究会)、DEL-18-048、pp.1-6(2018.03)
「N２バブル付加絶縁油の交流破壊特性」
蒲原聖也、高村紀充、荒岡信隆、前和田裕介、吉田貴紀、花井正広
平成30年電学会全国大会講演論文集、1-163、p.200(2018.03)
"Effect of Gap Length on AC Breakdown Electric Field at Recent Mineral Oil"
S.Kamohara、N.Takamura、N.Araoka、Y.Maewada、T.Yoshida、M.Hanai
Proceedings of IEEJ PES-IEEE PES Thailand Joint Symposium on Advanced Technology in Power Systems 2018、TJS-18-18、pp.87-91(2018.03)
〈2017年〉
「鉱油における交流破壊電界の距離効果と脱気の影響」
蒲原聖也、高村紀充、荒岡信隆、前和田祐介、吉田貴紀、花井正広
平成29年度電気・情報関連学会九州支部連合大会講演論文集、No.02-2A-12、p.258(2017.09)
「ナノ粒子添加による絶縁油の交流絶縁破壊電圧向上メカニズム」
小島寛樹、近藤貴文、花井正広、早川直樹
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌)、Vol.137、No2、pp.101-106(2017.02) http://doi.org/10.1541/ieejfms.137.101