コンピュータに代表される電子機器は、駆動電圧の低電圧化が進む一方、消費電流は増大しています。電源装置にとって低電圧大電流出力を高効率で得るのは原理上困難であり、これをどのように克服するかが課題となっています。この解決方法の一つに電源モジュールを並列接続した並列電源システムが提案されています。並列電源システムを工夫することによって電力変換効率の向上のみならず、応答速度の改善、出力電圧精度の向上など様々な性能向上が期待できます。
電力線通信は、電気を供給する電力線というライフラインが屋内外に張り巡らされていることを利用し、信号をやりとりする通信線として利用しようとするものです。宅内利用に限っては既に製品化も始まっています。本研究室では、一般に電気製品内部に複数の電源が組み込まれていることに着目し、装置内部に特化したスイッチング電源利用の電力線通信の研究を行っています。
信号処理用可変容量ダイオードは電子制御で容量を可変できるため、ラジオ、携帯電話等のチャネル選択(同調回路)や変調回路等に広く使われています。一方、電力を扱う電力変換装置においても、共振現象を利用した性能向上が図られています。しかしながら現時点で実用的な電力用可変コンデンサ、インダクタが存在しないことから共振周波数を可変できず様々な制約が生じています。本テーマでは、電力用可変インピーダンス素子の開発を行い、その応用について研究しています。