研究内容

最近のテーマ

プラズマ温度分布の定量可視を実現する二波長分光イメージング法の開発研究

  •  放電プラズマ中の気体温度や平均電子エネルギーは、電気絶縁分野では高圧機器の絶縁物・被膜の劣化及び絶縁破壊と深く関係し、プラズマ応用の分野ではプラズマ化学反応や電極損耗と密接に関係する。それゆえ、プラズマ診断技術は、プラズマ発生機器の開発で極めて重要である。
      本研究は、分光法や分光画像診断という手法を用いて様々な気体放電プラズマの分析を行っている。本研究が用いる分光法は、放電発光の回転スペクトル強度(N2 2nd Positive System band(0,0),(0,2))を取得し、プログラムによって導出された理論値と比較することでN2の回転温度を導出するというものである。この方法では、±5Kという高精度を実現している。また、本研究室が開発を進めている分光画像診断法は、狭帯域バンドパスフィルターをICCDカメラに装着してある発光強度(分光画像)を取得後、パソコン上でデータ処理を行い二次元的気体温度分布や電子エネルギー分布を導出するというものである。
     本研究室では、これらの診断技術を用いて放電プラズマの発生のメカニズム解明へのアプローチしている。
  • 実験装置4F実験装置
  • 分光画像診断 分光画像診断

環境負荷の小さな新しい電気絶縁ガスの調査研究

  •  SF6ガスは、優れた絶縁性能を持ち、ガス絶縁開閉装置(GIS)や管路気中送電機器(GIL)などの高電圧機器に使用されている。しかし、SF6ガスは、地球温暖化係数がCO2の23900倍と高く、温暖化規制ガスに指定されている。そのため本研究室では、SF6ガスに代わる代替ガスの研究を行っている。
     本実験では、大気圧下におけるSF6ガスを始め様々な混合ガス(CF3I,N2,O2,CO2,NO,He,H2O,Dry-Air)の電子・イオンのスウォームパラメーター計測を行っている。これらの計測には、大気圧下でプラズマの生成位置や時間の制御を容易に出来るパルスYAGレーザを使用している。このレーザを試験ガスで満たした密封容器内に照射し、電離作用や付着作用といったパラメータを調査し、電子・イオンの挙動をオシロスコープによって観測している。
  •  またモンテカルロシミュレーション技法(MCS)を用いて、実験から得られたデータと比較検討を行っている。
  • 実験装置
  • 実効電離係数と換算電界の関係

急峻波パルス高電圧の沿面放電進展と気体加熱

  •  絶縁体上の沿面破壊現象は、電力システムへ大きな損害を与える。世界中で長い間、沿面放電は電力機器の絶縁設計のために研究が行われてきた。しかしながら、ストリーマからリーダへの転移過程とその条件は十分に明らかにされていない。本研究は、沿面破壊現象のメカニズムを明らかにするために沿面放電の気体加熱に着目した。本実験では、半導体スイッチを用いて高電圧急峻波パルスを絶縁体沿面上に発生させ、その放電発光の様子をICCDカメラによって観測している。 また、分光法を用いて、沿面放電の背景ガス温度の導出を行っている。
  • 沿面放電発光写真
  • 沿面放電
  • 沿面放電進展過程(正極性)

固体誘電体の帯電および除電メカニズムに関する研究

  • 電極配置3F電極配置
  •  誘電体表面に帯電した電荷は静電気放電の発生する可能性がある。静電気放電はESD(electro-static dischare)と呼ばれ、帯電した導電性の物体が他の導電性の物体に接近することで起こる放電である。ESDは機器の誤作動や電力機器の絶縁性能劣化を引き起こす。そこで、誘電体表面に帯電した電荷の挙動を調べることは静電気放電の発生メカニズムを探すために重要である。
     本研究では誘電体円盤の表面にコロナ放電を用いて電荷を帯電させ、その帯電直後に24時間毎に帯電した電荷の測定を行い、その電荷の減衰メカニズムについて比較検討する。
  • 電荷の減衰過程電荷の減衰過程

遮蔽板で絶縁補強された気中間で起こる放電現象の調査研究

  •  不平等な電界を形成するギャップにインパルス電圧を印加した場合、そのギャップ軸に固有誘電体を挿入すると、一般にフラッシュオーバーが電圧が上昇する。このような効果は、バリア効果として知られている。
  •  私たちの研究室では、バリアが挿入された気中ギャップの放電現象をより詳細に解明するために、高速ゲート付感度ICCDカメラ等を用いて時間的・空間的分解能の高い放電観測に取り組んでいる。また、放電の種類を変化させたり、バリアの材質を変えたり、厚みを変えたりして調査を行なっている。
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厚み変化に伴う正極性急峻インパルスGFRPバリア放電

 

風力発電機ブレード内部への雷放電進入メカニズムの解明と対策

  •  現在、既存の風力発電機は、落雷などの影響でその半数が可動していない。その問題を解決するために、落雷による風力発電機ブレードの破壊原因の解明の研究を行なっている。風力発電機ブレードの素材であるFRPに人工雷を落としてその様子などを観測する。FRPは、加工しやすく現在では飛行機などにも利用されている。
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人工雷を使用した風力発電機ブレード内部の雷進入観測実験

 

過去のテーマ

●電力設備の電磁環境調査と電磁界数値解析
●環境対応型SFガス電気絶縁システムの長期診断技法の開発
●気体放電のパルスレーザ制御と空間電荷電界
●パルス高電圧での放電開始統計分布と負イオン制御効果
●窒素/酸素混合ガスの放電プラズマ分光診断法の開発
●インバータサージ異常電圧に対する電気絶縁技術の対応
●高層建造物に対する雷遮蔽技術の確立
●誘電体表面のプラズマ改質
●エレクトレットの制作
●半導体製造工程での荷電粒子制御
●レーザプラズマ分光診断と高発光効率

 




共同研究(過去)

学外共同研究

●SF6ガス電気絶縁システムでの有毒分解ガスの吸着と残留
●SF6ガス使用量削除の最適吸着剤性能
●沿面放電型オゾナイザーでの放電発光過程の微細構造
●超長ギャップ放電のモデリング
●節電器性能試験とビジネスモデル
●放電応用技術の研究
●省電力装置の機能・性能に関する改善策
●自動車リサイクル法への対応技術開発
●高電圧技術による省エネルギー・環境浄化の可能性に関する基礎研究

学内共同研究

●可視化レーザ技法の開発