画像処理研究室 福岡大学工学部電気工学科 江田研究室
研究室の紹介
- 画像処理は、スマートフォンやディジタルカメラ、自動車やロボットの目など工学の様々なところで使われている基本的な技術です。
- 本研究室では、画像を用いたセキュリティ技術の研究開発を目的として、離散コサイン変換、ウェーブレット変換などの周波数解析技術や位相解析技術を用いた画像解析と画像照合の研究をしています。特に実数型直交変換の符号を用いた独自の画像照合技術について研究を行っています。
研究内容
Sign-only Synthesis
- 実数型直交変換の符号のみの逆変換を Sign-only Synthesis と呼びます。
- 下の左の写真に対して Sign-only Synthesis を行うと、右の写真のように画像の輪郭が強調された結果を得ることができます。
- このことから Sign-only Synthesis はハイパスフィルタと同様に高周波成分を強調する性質を持ってることがわかります。
図1 原画像
図2 Sign-only Synthesis
DCT符号を用いたテンプレートマッチング
- ある画像が別の画像に含まれているかを調べることをテンプレートマッチングといいます。
- テンプレートマッチングでは、二つの画像が同じかどうか調べる時に、相互相関法という手法を使います。
- しかし、相互相関法では、顔のように異なる人物でも非常に似た画像の場合では、その違いを識別することができません。
- 本研究では、画像から重要なDCT符号を取り出すことによって、画像固有の2値信号を作成し、その2値信号を比較することで画像照合を行います。
- 提案手法は、0か1の2値信号が一致しているかどうかだけを処理すればよいため、従来法よりも高速なテンプレートマッチングを行うことができ、さらに顔のように従来法では識別できないような場合でも、厳密な画像照合が可能となります。
画像の局所的コントラスト強調法
- 画像のコントラストとは、明暗比のことで、写真のメリハリのことです。
- ディジタルカメラで撮影した写真の細部のコントラストが低いと、そこに何が写っているのか人の目では識別することができません。
- 本研究では、撮影された1枚の写真のみを用いて、写真の自然な印象を保ちながら局所領域のコントラストを向上させ、細部の情報を見やすくする技術を研究しています。
- 左の写真に対して処理を行った結果が右の写真になります。目の周りの模様や、胸の羽、背景の模様などがはっきりと見えるようになっていることがわかります。
図3 原画像
図4 処理結果
写真から固有の文字列の生成とパスワードへの利用
- この研究は、写真固有の情報を取り出し、その情報から文字列を生成するものです。
- 文字列の照合は、画像そのものの照合よりも高速に計算することが可能になるため、写真から固有の文字列を生成することで、高速な写真検索や写真の改ざん検出などが可能になります。
- 例えば、身分証の証明写真を文字列化することによって、生成された文字列がその証明写真の固有のデータとなるため、免許証や社員証などの改ざんを容易に検出することができます。
- また、画像情報を+1と-1の2値にするため、ハードウェアへの実装が容易で、かつ高速な計算が可能となります。
- この技術を応用することで、任意の写真から固有のパスワードを生成できるようになりました。
防犯カメラ映像からの動体検知
- 防犯カメラ映像から動体の輪郭だけを検知する技術です。
- 静止している人物や物体は検知されないため、変化が生じた部分だけを確認することが出来ます。
図5 動体検知
講義
- コンピュータ基礎Ⅰ(1年生前期)
- 情報処理Ⅰ(2年生前期)
- 情報処理Ⅱ(2年生後期)
講義ノート(学内のみ)
- 電気基礎実験Ⅱ(2年生後期)
- プログラム技法(3年生後期)
講義ノート(学内のみ)
- 信号解析特論(大学院前期)
連絡先
- 教授 江田 孝治
- 4号館3階 教員室(4303)
- E-Mail : kouda@fukuoka-u.ac.jp(@を半角に変更してください)
リンク
© 2015 画像処理研究室